投資家心理
人は株に投資する際に認知的バイアス（彎曲）が働いているとされる 認知とは簡単には物事の捉え方でバイアスとは片寄り、誤りである 認知的バイアスは確立からの情報を狂わせる それは投資家にとって映る実際の企業価値の誇大化や過小化に繋がる これらは多くの投資家に見られる事でその投資家の認知のバイアスはそれぞれ個人によって異なり一定の法則性を持たないとされていたが 最近になってそれがある種システマティックに類似した傾向、動向を見せていることが解明されつつある
投資には投資家の自信が非常に影響している、自信は自己効力感や楽観性といった要因によって形成されているものであろう 自己効力感の高さは積極的な採択を行う事が知られているまた楽観的である者は失敗したっ場合の心理的ダメージを受けにくいとされている 一般に自信があるのは良い事である しかし、自信過剰は過剰な投資へと向かわせる 人はリスクに対する確率として20％程度の発生率はまず起こらないと考えるとする報告がなされている 自信の向上は長時間にわたって行われる物事に対しての方が影響があるとされる 例えば1日に与えられた課題を達成下場合より100日間の課題を達成した場合に強く表れる また株式の取引は現在はほとんどが電子化され電話や会社に出向いて取引を行うということは少なくなった 電話での株価取引からオンラインでの取引に変更された場合の株主の投資動向を調べた報告によると、電話での取引からオンラインでの取引へと移行してからの方が投資成績は悪くなっていたとの結果が出た これは何を意味するかというと株主はそれまで雑誌、や新聞などの限られた範囲での情報が投資の意思を左右していたが、インターネット導入に際して莫大な情報が手に入るようになった、そのため投資家の経済の専門家と同等の能力があるとの錯覚がこの様な減少を引き起こしたと考えられている 情報（infomation)と知性（intelligence)は、異なるという事である この事は株式投資の分野に限ったことではないだろう いくら企業に関する情報が世界単位で得れることができたとしても、それを分析する能力がなければ過ちを犯してしまうということである
人は一般的に得られた情報を処理する際に必要最低限な要因からだけで判断しようとする傾向がありこの事が「代表的バイアス」を生む
また株価取引にみられるトレンドと呼ばれる一つの株に集中して買いが集まることがあるが、これも心理学的に説明ができる 集団心理の研究を行ったアッシュの有名な実験がある それは初めに1本の線を見せてその後4本の線を見せて同じ長さの物を選ばせるというものである その実験において選択する側の人間に「サクラ」を3人混ぜておくそしてそのサクラは間違った答えを意図的に選ぶのでるすると「サクラ」でない被験者は一人で解答した時よりも数10倍の確率で誤った解答を行ってしまうというものである このことから集団の中において他の人がやっているから（その他の人に関しての要因もあるが）という事で何も根拠がないもしくは間違っているかもしれない事を採択するという事が立証されている
この事は経済アナリストの予測にも当てはまる10人経済アナリストがいれば大半は似通ったものになるその理由として アッシュの実験での「同調行動」の逆の心理も働いている事が考えられる もし他の人間と違った答えを出した場合の罰を考えると他の意見に同調せざるを得ない 著名で保守的な経済評論家ほどそのような予測をたて、名もない新人と呼ばれる評論家ほど革新的な予測を立てると言われている
また現在は（2009年時点）では100年に一度といわれるような経済危機に陥っているそのような混乱の状態のときこそ人は他の意見に同調する傾向がある またこの様な同調行動に基づいた株式投資は「バブル」を生み出す なぜなら他の人が買うから買う、すると値が上がる、上がるからまた買うとなるからである 投資家は「個人投資家」「機関投資家」「外国人投資家」に分けられる 一般的に外国人投資家が買い出したら相場が上がる、その逆で「機関投資家」が買い出したら相場は下がると言われている なぜなら「機関投資家」はもちろん企業価値に基づいた投資を行っているのであろうが他の投資家の投資を参考にしている側面が強いからである
人は損失と利益に対して非対照的感情を持つ それは例えば1万円得した時と1万円損した時では損した時の方がはるかに悲しみが大きいということである そのため株への投資で失敗した人間はその損失を認めようとはしない それは「損失回避」という言葉で呼ばれている その根底には自分の失敗を認めたくないという心理が働いている そして株がいくら下がろうと塩漬けと称して持ち続けるこれが「損失回避」である またそのためにはリスクを負ってでも損失を埋めようとする 「損失回避」の心理の根底には自分の失敗を認めたくないという心理が働いている