株価の決定


株価を決定するものとは何か?
20世紀に経済学者のみならず多様な分野で業績を残したケインズ(Keyens,J..M)は、株価を決定するものとは何か?の問いに対して 株価を決定するものとして、ある美人コンテストの例をあげた 「それは誰が絶対的な美人であるかは決まっていない その順位を決めるのは審査員だ」とした 確かに求める人が多ければ誰が美人か(つまり実態に対する考慮は抜け落ちている)その価値は市場において求めるものが多ければ相対的に上がるそのことを示唆した 
 しかし現在、大方の証券アナリストは「株価を決めるものは企業のファンダメンタルズ(企業の時価を反映するもの)でありその要因には、様々なものがある」と答える この答えの相違は実態のある経済と仮想的な経済を象徴しているようにも見える 
 前者のケインズの答えは実態とはかけ離れた場所にあるやや仮想的な物に重点を置いているか印象を受ける 後者の証券アナリストの解答は実存するもの、これからの企業としての成長などの付加を考え株価を決めるとする考えである効率市場主義的な印象を受ける 
 2007年当時は「株価が全く企業価値を反映しないというのであれば、株式市場は単なる数値が羅列されたものであり、無意味な数値が一人り歩きし、やがて株式市場は崩壊するであろう」と言う考え方があったが、その後の2008年9月15日のリーマンブラザーズ破綻による世界金融危機の発生、それからの米証券大手5社や証券の内容、3大手自動車メーカーの経理の実情についてみてみれば、株価を決める上で何が重要であるか 自ずと見えてくる もちろん市場とのバランスによって株価は日夜変動する 
 しかしその根本となるのはあくまで企業価値である また企業価値についても間違った査定などは株価に響き今回の様な実態のない価値を生んでしまうのではないか





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