麻酔薬


麻酔薬の分類
麻酔薬には歯科領域などで使用する局所の感覚のみを遮断する局所麻酔と、手術などで使用する意識を消失させる全身麻酔とが存在する 実際の使用にあたっては全身麻酔のみを使用する場合、局所のみを対象とする局所麻酔を併用する事もある

局所麻

局所麻酔薬の主な作用機序はNa+イオンチャネルを可逆的にblockすることであり その結果神経細胞におけるNa+の流入が阻止され細胞の活動電位が生じなくなる 局所麻酔はその働き、目的から5つに大別される 皮膚や粘膜など、組織表面の感覚を抑える目的で使用される表面麻酔、手術部位の皮内、皮下、粘膜下に用い歯科領域において抜歯などの疼痛緩和を目的とした浸潤麻酔、脊髄からの神経に直接投与し、そこから影響を与える部位全てを麻痺させる 比較的大きな手術などの際に使用される伝達麻痺、脊髄のくも膜下腔に麻酔をかけ下半身を麻痺させる産婦人科領域などで使用される 脊椎麻酔 脊椎からの神経に麻酔をかけ、上腕、頸部、胸部、後頭部などを麻痺させる硬膜外麻酔がある

代表薬
塩酸リドカイン:キシロカイン 適応:(0.5%)硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔(1%・2%)硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔(3%)脊椎麻酔(液、ポンプスプレー、ビスカス)表面麻酔(点眼液)眼科領域での表面麻酔(筋注用)抗生物質投与時の疼痛緩和
ブピバカイン塩酸塩水和物:マーカイン 適応:(0.125%)硬膜外麻酔、(0.25%、0.5%)伝達麻酔、硬膜外麻酔(脊麻用)脊椎麻酔(腰椎麻酔)
メピバカイン塩酸塩:カルボカイン 適応:硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔


全身麻酔薬
意識の消失、すべての感覚を麻痺させる またその認知、記憶もできない そのような目的で使用されるのが全身麻酔である 全身麻酔使用の4つの目的は、鎮静(意識消失)、鎮痛、筋弛緩、有害反射除去とされている 全身麻酔の投与経は大きく分けて2つあり吸入による投与経路と、静脈を介した投与経路がある 吸入麻酔はその鎮静効果に優れており、その他の3つの作用もカバーできる投与経路とされている しかし完全に4つの目的をカバーすることは困難であるため 吸入単剤で用いられることは少なく、他剤との併用によって使用される

代表薬
セボフルラン:セボフレン 適応:全身麻酔
チオペンタールナトリウム:ラボナール 適応:全身麻酔、全身麻酔の導入、局所麻酔・吸入麻酔との併用、精神科領域における電撃療法の麻酔、局所麻酔薬中毒・破傷風・子癇などに伴う痙攣
プロポフォール:ディプリバン、プロポフォール 適応:全身麻酔の導入・維持、集中治療における人工呼吸の鎮静
フェンタニルクエン酸塩 フェンタニル 適応:全身麻酔、全身麻酔における鎮痛、局所麻酔における鎮痛の補助、激しい疼痛(術後後半、癌性疼痛)に対する鎮痛)
ドロペリドール ドロレプタン 適応:フェンタニルとの併用による手術、検査、処置時の全身麻酔、局所麻酔の補助、単独投与による麻酔前投与


以下各薬剤添付文書


キシロカイン  注

キシロカイン ゼリー

キシロカイン ビスカス

キシロカイン ポンプスプレー

キシロカイン 注シリンジ

キシロカイン ポリアンプ

エムラ パッチ

エムラ クリーム

ペンレス

カルボカイン

マーカイン

ポプスカイン0.25注

ポプスカイン0.5注

ポプスカイン0.75注10ml

ポプスカイン0.75注20ml

ポプスカイン0.25注シリンジ

ポプスカイン0.5シリンジ

ポプスカイン0.75シリンジ

ポプスカイン0.25バッグ

アナペイン2

アナペイン 7.5、10

ネオビタカイン 注

ネオビタカイン シリンジ

ストロカイン

塩酸プロカイン

ロカイン

テトカイン

テーカイン

アミノ安息香酸エチル

スルカイン

コカイン塩酸塩

液化亜酸化窒素 

笑気

セボフレン

フォーレン 

イソフルラン「ファイザー」

スープレン

アルチバ  

ディプリバン

プロポフォール

イソゾール

チトゾール

ラボナール

ドルミカム

ケタラール 筋注用

ケタラール 静注用

ドロレプタン 

プレセデックス

ラボナ

ハイスコ 



  
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