筋弛緩薬
シナプス反射を抑える。シナプス反射には単シナプス反射と多シナプス反射があり単シナプス反射は
ニューロン同士をつなぐシナプスの介在が一か所のみである点で多シナプス反射と異なる
その作用箇所が中枢であるか、末梢であるかによって以下の分類はされている
痙攣や過度の筋緊張を抑える目的で使用する
中枢性筋弛緩薬
中枢(脊髄、脳幹:中脳、橋、延髄)に作用
適応:脳血管障害、脳性麻痺、脊髄小脳変性症、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症
後縦靭帯骨化症、脊髄損傷などに伴う痙性麻痺、緊張型頭痛、腰痛症、顎肩腕症候群
肩関節周囲炎、筋クランプなど
具体的な薬剤とその特徴
作用の強さや血中濃度の上がり方から大きく2つに分類される
トルペリゾン(ムスカルム)、エペリゾン(ミオナール)、アフロクァファン(アロフト)の系統
と
チザニジン(テルネリン)、バクロフェン(リオレサール、ギャバロン)、
後者は前者に比べ作用が比較的強いとされている
痙縮が軽度もしくは中等度の場合は前者を、高度であれば後者を使用する
なお、薬剤の使用に当たっては、side effectsとされる中枢に現れる眠気、ふらつき、めまい、頭痛、
消化器症状としての悪心、嘔吐、食欲不振、に考慮する必要がある
末梢性筋弛緩薬
作用機所としては筋肉は収縮する際に細胞におけるNa+イオンとK−イオンのバランスによって
活動電位が発生しその結果、筋小胞体からのCa2+イオンの流入によって筋肉の収縮が起こる
わけだが、この流れをブロックする薬剤としてダントリウム(汎用はされない)が用いられる
ダントリウムは痙性麻痺に対し強い作用を持つ
また使用に当たっては初期投与量より減らす方向漸減法にて投与する
適応は広く重篤なものが多い:全身こむらがえり症、麻酔時における悪性高熱肺機能低下
悪性症候群(抗パーキンソン薬のページを参照)に使用
禁忌は以下:著しい肺機能低下、筋無力症(筋弛緩だから当然)、肝疾患
また他の作用機所における筋肉の収縮をブロックする薬剤として
パンクロニウム(ミオブロック)スキサメトニウム(サクシン)ベクロニウム(マスキュラックス)
いずれも注射薬であり麻酔時に筋肉を移管させる目的で使用する
作用機所としてはダントリウムが筋肉の細胞レベルでの筋収縮のブロックであったのに対し
これらの薬剤はニューロンと筋肉を結ぶ部位をブロックする
つまり、神経筋接合部ブロッカーである
以下各薬剤添付文書