肝疾患治療薬


肝臓の働き
消化管からの吸収された、糖やアミノ酸、脂肪、ビタミン、胆汁の生成・分泌(胆道系疾患治療薬の項 参照)解毒、全身血液循環の調節、血液凝固物質の(へパリンなど)の産生や
血液中の細菌に対する防御作用などいくつかの重要な働きを担っている
薬剤は疾患の種類別に様々なものがある ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、薬物性肝炎、自己免疫疾患が挙げられる
ウイルス性肝炎は肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気であり A型、E型肝炎ウイルスは経口感染を主体とする B型、C型、D型肝炎ウイルス
は主に血液感染を主体とする B型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性の肝臓病を引き起こす原因ともなる肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが弱り、倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(皮膚が黄色くなること)などの症状が出る、しかし全く症状が出ないことも少なくない 肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪化が起こる  
倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(皮膚が黄色くなること)などの症状が出ることがあるが、全く症状が出ないことも少なくない
治療薬
INF製剤
ウイルス性肝炎に対してはインターフェロン(INF製剤)が主として使用され 抗肝炎ウイルス治療薬も用いられる HCVに起因する慢性肝炎の治療薬として
INF療法が挙げられる INFはさらにα、β型の2種類に分けられ α型は筋肉注射、皮下注射 β型は静脈内注射を行う なお薬剤の肝炎に対する効果はα、βともに
差はない 抗ウイルス薬とバビリン(商品名レベトール)との併用は著効を示す場合が多い

INF製剤分類

α型 α-2a 皮下注射  筋肉注射
α-2b
β型 静脈内注射

抗肝炎ウイルス剤

抗肝炎ウイルス薬としてはレベトールが汎用頻度が高いが、その効果は単独投与によるものより上述したようにINF製剤との併用によりさらに
強い効果(C型慢性肝炎:HCVを対象として)を示す また慢性B型肝炎:HBVにはラミブジン(商品名:ゼフィックス)、アデホビル(商品名:ヘプセラ)エンテカビル(商品名:バラクルード)が
感染細胞の増殖抑制効果を持ち 肝炎、肝硬変の進行を抑える

肝機能改善薬
肝庇護剤とも呼ばれる注射薬などは一過性に肝機能における標準検査値を下げる効果を持つ 内服の定期的な服薬は慢性肝炎への移行 肝臓癌への移行を抑制する
しかしあくまで「肝庇護剤」であって根治的に肝炎の原因を除去するものではない

グリチルリチン酸製剤
汎用度が高いSNMC 商品名:強力ミノファーゲンC注射薬は薬剤性の肝炎などで肝機能が悪化している場合に即時に効果を示す
現在今強力ミノファーゲンCには若干のNK細胞の賦活化やINFとの正の相互作用を持つことが分かってきており
HBV、HCV慢性肝炎にも効果が期待できる

CDCA:ウルソデオキシコール酸
胆道系疾患の項を参照:胆石溶解、肝内での胆汁うっ滞の作用により胆石や原発性胆汁性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆肝炎、またHCVのINF使用抵抗例に効果を示す

肝臓製剤
肝臓抽出物アデラビン9号注や加水分解の効果を持つプロへパールを用いる

肝免疫賦活薬
HBe抗原陽性HBV慢性肝炎におけるウイスルマーカーの改善を目的として使用する
慢性肝炎における症状の増悪には注意が必要とされる

肝不全治療薬
肝機能の低下による高アンモニア血症や低アルブミンなどの改善を目的とする 高アンモニア結血症は脳に障害を与え意識に影響(肝性脳症)を及ぼす
アミノ酸 分岐鎖アミノ酸、グルタミン酸、グルタミン酸アルギニンなどの薬剤が効果を示す 代表的な薬剤ラクツロースは腸内におけるアンモニア産生抑制、吸収を阻害する
漢方薬
グリチルリチンサン製剤である小柴湖湯が用いられるが、肝硬変においてのSide effectsである間質性肺炎の発症には十分な留意が必要とされる


以下各薬剤添付文書

スミフェロン

フエロン

イントロン A

ペガシス

ペグイントロン

レベトール

コペガス

ソブリアード

スンベプラ

グラジナ

ダクルインザ

エレルサ

ソバルディ

ハーボニー

ヴィキラックス

ジメンシー

マヴィレット

ゼフィックス

ヘプセラ

バラクルード

テノゼット

ベムリディ

強力ミノファーゲンシー

タウリン

プロトポルト

チオラ

 EPL

リバオール

リバオール 液

タチオン

グリチロン

カンテック

レナルチン

アデラビン9号

セロシオン

アルギメート

アミノレバン

モリヘパミン

リーバクト

モニラック

ラクツロース「興和」

カロリール

ピアーレ シロップ

ポルトラック

リフキシマ

メタライト

ノベルジン





  
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