知能
知能とは 知能の定義は難解とされその数は心理学者の数だけあるとされている 従来の諸説から次の4つに集約される@経験からの学習、それを生かす能力A抽象的な思考・推論B何が起きるかわからない不確実な世界に適応する能力Cなすべき仕事を迅速に成し遂げるよう動機づける能力です また知能は別の観点から大きく2つに分けられる 結晶性知能:いわゆる暗記などでつちかわれる知能 流動性知能:人生経験の上に成り立つ知能、推論や思考能力など
知能検査について
ビネー式知能検査
1905年にフランスのビネー、シモンによって作成 全30問 これらの課題によって精神面での発達の度合いを測定し個別にその差を比較できるようにした年齢水準ごとに易しいものから難しいものへという質問によって構成されている 例えば3歳の水準なら姓を答える、2つの数字の暗唱、6音節の文の復唱、鼻、目、口を示す、4歳なら3つの数字の暗唱、自分の性を答える、鍵、ナイフ、貨幣の名を答える、2線の比較、5歳なら10音節の文の暗唱、貨幣4枚を数える、2個の重りの比較、正方形の複写、はめ絵遊びなど つまりこの課題遂行の度合いによって精神年齢をという新たな概念を導入しその発達度合いを個別に比較できるようにした 後に子供だけではなく成人にも適応される形に改良された
スタンフォードビネー式
ビネー式知能検査はフランスで作成されたものであるがその技術が米国に渡り、スタンフォードのターマンによって更に改良され知能指数 IQ (Intelligent
quotient)を測れるものにされた IQは次の公式で表される
知能指数(IQ)=精神年齢(MA)/生活年齢(CA)×100 スタンフォード・ビネー式テストは全90問からなる 対象:3〜16歳 年齢が低いと生活年齢が知能指数に影響を与えやすい
日本では鈴木ビネー式、田中ビネー式が使用されている
ウェクスラー式知能検査
1939年にアメリカのウェクスラーによって考案された論理的な部分である言語性検査と感覚的な部分である動作性検査から成る ビネー式はこどもを対象として作成されたのに対しウェクスラー式知能検査は成人向けに開発された WAIS(Wechsler
Adult Intelligence Scale)と呼ばれるもの16歳以上を対象として作成された その他WAIS以外に 低年齢5〜16歳までのWISC、3〜7歳までのWPPSIがある またビネー式と異なり100を基準とした偏差知能指数として算出する事が出来る
K−ABC
1983年カウフマン、A.S.とカウフマン、N.L.夫妻が考案 2〜12歳の子供を対象としている 1993年に日本版が開発された 自閉症児の認知の仕方やLD 学習障害などのこどものスクリーニングを行う事が出来る そのため認知プロセスを明らかにでき こどもの得意な認知スタイルを発見する事ができ心理教育的な援助に役立てることができる