2値選択における行動特性の特徴
実験日時:2007年09月28日(金曜日)P.M.3:00−5:00
提出日 :2007年10月5日(金曜日) 206qa90 江夏 泰二郎
[目 的]
人間の反応行動に基づき、コンピュータが「次の手」を予想するというゲーム(コイン合わせゲーム)がある。本実験では、このゲームを通して、2値選択の事態における人間の選択行動の特性を考えてみる。
[方 法]
被験者:文系大学生98名
装置:パーソナルコンピュータ、CRTディスプレイ。
コンピュータの予想方式:被験者の先行反応を全て記録する。次数に応じた集計表を作成し、先行反応に続く 2値(0か1)の過去反応の出現頻度から、被験者の「次の手」を予想する(表1を参照)。
表1 コンピュータが予想に利用する集計表の例(3字)
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ある試行の先行3試行で被験者が「0」「1」「0」と手を選択していたならば、当該試行では、それまでの集計データ(表)に基づき、コンピュータは被験者の出す手を「1(4と7を比較して)」を予測することになる。
ゲームのルール:施行ごとに、コンピュータの予想が外れれば、被験者の得点が1点増える。予想が当たってしまうと、逆に得点が1点減る。ゲーム開始時の被験者の持ち点は0
点。ゲーム終了時に得点がプラスであれば被験者の勝ち。マイナスであればコンピュータの勝ち。0点で終了すれば、引き分けとした。
実験の条件:2次、3次、4次の先行反応の集計に基づく予想と被験者が対戦する3つの実験条件、およびコンピュータで作成した疑似乱数が対戦する比較条件の合計6試合。
手続き:被験者はCRTディスプレイの前に座り、コンピュータと対戦した。2値の「手」は、画面上の「0」と「1」のボタンを使って入力した。3つの実験条件の実施順序は被験者ごとにランダムにした(練習効果の相殺)。各条件とも200試合まで行った。対戦中のディスプレイ画面には、試合ごとに、被験者の「手」、コンピュータの「手」、および勝敗と得点(プラスは青、マイナスは赤で)が表示された。実験条件での試合終了後、比較条件での対戦を行った。動機づけのため、3勝を2勝1分以上(ただし、この2勝には4次条件での勝利を含む)の者には(ボールペン)を与えた。
[結 果]
二者択一、ランダムから得られた得点について被験者98人の平均、およびSDを求め(算出)し、表2に示した。
表2
コンピュータの予想成績は結果からわかるとおり、次数が上がるにつれ点数が悪くなっていることから予想が当たり易くなった事が分かった。
成績と次数との関係だが、次数が増えるにつれ成績は悪くなった。
疑似乱数(ランダム)とコンピュータ予想との関係だが、やはり予想しているほうが、得点平均は、下がっていることが分かった。
[考 察]
結果をふまえて次数が上がれば、人の選ぶ番号をコンピュータがより読み易くなると考えられる。またランダムの場合に3回の結果に大差は無く平均得点がコンピュータ予想と比べよかったことからやはりコンピュータに人の手が比較的読まれていることが分かる。
本実験からコンピュータを使う事で人の行動特性はある程度把握できるということ、また、人は物事を予測し行動する場合ある程度共通した「癖」があるということが分かった。