精神力動論モデル psychodynamic model


精神力動論はS.フロイトによって提唱されたものだが、精神分析的なパーソナリティー検査は、S.フロイトがその精神力動論の中であげたエス・自我・超自我から引き起こされる葛藤や無意識的な衝動の在り方などの動的な相互作用を測定する事でパーソナリティーを把握する手掛かりとしたものである この精神力動論的モデルに基づいたパーソナリティーの把握とは上述した投影法検査を用いる 投影法とは質問紙法のように量、質が明らかなものではなく 一言で言い表すならば被検査者が「あいまいな状況」におかれる事であると言える 刺激はあいまいであり 反応の自由度も大きく 検査者の検査にあっての在り方が被検査者大きなに与え 答えた事への解釈には解釈に際して非常に熟練を要する 回答には被検査者の特有の葛藤や衝動の在り方や葛藤や衝動への対処の仕方、対人的な相互作用場面においてその人がどういったふるまいをするのかまたどのように感じるのかといった事を解釈する 目的は独自性を解明する事にある 心理測定モデルにおける質問紙検査では 眼に見えない深層や無意識を扱うわけであるから妥当性・信頼性を問うのも困難である しかし投影法検査における刺激は質問紙法と比較して刺激があいまいであるがゆえに 被検査者は選択肢では測れない多様な 時には考えもしなかったな反応を得ることができるといった質問紙にはない利点がある もちろん検査者が熟練した専門家であることを前提としている 曖昧な刺激に対処する過程、結果からその人の内面またそれらの相互的な関わりを把握できるといった利点もある しかし刺激に対しての反応は、無意識的や前意識的が現れると考えられていおり それが熟練の専門家によて解釈される 心の深層や無意識といった側面はこういった方法で把握される あえて「測れる」としなかったのはそれが数量や質に基づいたものではないからである しかし実験心理学における心理測定論の考え方とは専門的になるほどその相違は大きくなり 精神力動論モデルに基づいた検査は数量的・妥当性などの実証性に欠けているという指摘もなされている







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