古典的条件づけ
ある刺激が別の刺激を予測させることを学習する事を古典的条づけという 最も有名なのがパヴロフ、I.P Pavlov,Ivan Petorobich(1849〜1936)による「パブロフの犬」の実験である 犬に餌を与える際にベルを鳴らし、えさを与えるとベルの音が鳴っただけで犬は唾液を流すようになる
この過程で学習が成立している ベルの音は条件刺激(CS)、餌は無条件刺激(UCS)、唾液を出す反応は無条件反応(UCR)と呼ばれる
このように条件刺激と無条件刺激を組み合わせることを対提示といい 行動認知療法においてはそれらの対提示をうまく利用し誤った学習を修正、除去しようとするものである
ちなみにこのベルを鳴らすことによる唾液分泌の反応はベルを鳴らすことと餌の対提示の繰り返しによって条件反射が形成されそのうちに餌はなくてもベルが鳴っただけで反射的に犬は唾液を分泌し始める
その後この反応は急速に強くなるこの反応を強化と呼び 一定の時期を経ると頭打ちとなる またベルだけを鳴らして餌を与えない行動を消去と呼んだ
これらの特徴を心理療法に応用したものには自律訓練法(AT法)、系統的脱感作法、現実的脱感作法、嫌悪療法があげられる 自律訓練法(autogenic
training)はドイツのシュルツ Schultzs,J.Hによって開発された 一定の公式を通じ心理学的側面からだけではなく生理学的なリラックスを得、日常生活において疲労の回復や、イライラ感を抑えたり、自己統制力の増進、衝動的行動を抑える、仕事、勉強の能率の増加、身体的な痛み、精神的苦痛、内省を促す、自己向上心を増加されるなどの効果を得ることを目的としたものである
実践に当たっては一定の公式があり一人で、静かな場所で、気楽な格好になり、楽なと姿勢をとり、軽く眼をとじ 以下の公式に従って進めていく 公式は7段階に分かれ 背景公式、安静練習、「気持ちがとても落ち着いている」、第1公式、安精練習、「両腕、両足が重たい」、第2公式、温感練習、「両手両足が暖かい」、第3公式、心臓調整、「心臓が楽に脈を打っている」、第4公式、呼吸調整、「楽に呼吸をしている」、第5公式、腹部温感練習、「お腹、胃のあたりが暖かい」、第6公式、額部涼感、「額が涼しい」からなり 以上の事を心の中で自己暗示的に意識する この背景公式から第6公式までを1セッションとしこれを1日3回行う すぐに効果に直結するものではなく効果が出るまで数ヶ月かかる 系統的脱感作法は行動療法の理論を踏まえた上でウォルピィ、J Wolpe,Joseph(1915〜1998)によって開発された 不安や恐怖として誤って学習された対象にそれらが引き起こす感情とは逆の感情を引き起こす
この引き起こす反応と逆の反応を「弛緩反応」、そのような感情、反応を引き起こすことを「脱感作」、またこの事を段階的に行っていく事から「系統的脱感作」と呼ぶ
具体的には不安や、恐怖を感じる度合いを点数化し不安階層表を作成その段階の低いほうからイメージしその時起こった感情に対して脱感作を起こさせ、その不安恐怖を感じさせないようにして不安階層表におけるその上の段階に進む 不安や恐怖を反対の感情によって条件づけることを拮抗的条件づけという 系統的脱感作においてはこの理論が用いられている また現実的脱感作用においてもこの拮抗的脱感作法が用いられるが現実的という点でイメージを行う系統的脱感作法とは異なる 具体的にはエクスポージャー(exposure)と呼ばれる恐怖や不安に暴露していく方法がとられる不安階層の低い方から徐々に暴露していく方法もあれば、いきなり最高レベルの不安、恐怖状況に暴露するフラッティングとよばれる方法がある フラッティングはその効果が十分ではないためほとんど用いられることはない 嫌悪療法ではもともと好きであるが問題があるため嫌いに修正する方法である