経済活動に関して



信念と知恵

人は検証された理論や客観的で合理的な「知識(知恵)」の中だけで行動しているのではなく「信念(blief」」の下で経済活動を行なっている事も多い。当然ながら異なった「信念」同士がぶつかれば様々な葛藤などが生まれる。そうした中において仮説、検証を通して得られる「知識(知恵)」は合理的な共有可能性のあるものであると言える。


経済活動における信念と知恵

1、流通において

小売の世界特にコンビニエンスストアでは日々激戦が繰り広げられているが1980年代のPOS(Point of sales)システム導入後「いつ」「どれだけ」「どんな人に」どの様な商品が売れたかに関する情報を多く収集できる様になった。その情報は各店舗で活かされるだけではなく自動的、機械的に本部、メーカー、取引先、配送センターへと速やかに届く。これにより「販売の時点」における「売れ筋商品」の把握が飛躍的に容易になった。また「販売の時点」仕入れの判断が正しかったか検証を行うことが容易にできる様になった。しかしあくまで小売業にとっては商品の仕入れに細心の注意を払わなければならない訳でありその事からあくまでPOSシステムはなぜ売れ、なぜ売れなかったかを検証する為のシステムであると言える。POS導入後も仕入れ、発注に関しては以前と変わらず人の細やかな注意が必要である。商品のライフサイクルが短くなり販売量が「富士山型」から「茶筒型」にシフトしてきている昨今では特にその見立てに関して細心の注意が必要とされる。今日まで売れた商品を揃えるというよりもむしろ明日のお客が何を購入するかを予測し仮説を立て的中させる事ができるかどうかがそのコンビニエンスストアの死活を分けること言える。

小売にとっては「この商品は売れるという信念と仮設、検証を通して得られた知恵に裏付けられた深い読み」が必要不可欠とされるところである。

2、株取引において

株とは株式会社が資金調達の為に発行する有価証券であり取引においてはその企業が将来生み出すであろうキャッシュフローと需給関係が大きく反映される。また株価決定の要因には様々なものがあり風評などによっても乱高下することもある。投資者は安値で買って高値で売るのが基本と言えるがその際の仮説を立てる材料としては「チャート」と「ファンダメンタル」がある。「チャート(過去の上昇、もしくは下降曲線、終値、高値、安値)」は日内変動の仮説を立てる際に有用であり「ファンダメンタル(経済成長率、物価上昇率、原油価格、為替動向を含むマクロ経済の中でのその企業の収益構造や財務状況)」は長期間の変動の仮説を立てる際に有用であると言える。前者は短期間での取引きである「デイトレード」において有用であり後者は「バリュー投資」の指標として有用であると言える。

3、株取引におけるバイアスについて

自信過剰、代表的バイアス、ハーディング、損失回避などがある。

信念はバイアスによって生まれ易いとも考えられる。

いずれにせよ正しい仮説検証と予見する事が大事な事であると言える。




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