意思決定における心理学
意思決定とは複数の選択肢から1つもしくはそれ以上の選択肢を採択する行為である。
意思決定には個人による意思決定(individual decision making)、集団による意思決定(group decision making)、組織による意思決定(
organizational decision making)がある。
意思決定を行う状況としては意思決定の結果がわかっている状況での意思決定、結果の確立がわかっている状況での意思決定、結果の確立のわからない状況での意思決定がある。
サイモン(Simon,H.A.)、カーネマン(Kahneman,D.)、らは行動意思決定の代表的な研究者である。意思決定がどのような手順で行われるかが行動意思決定の意味するところでありその手順を解明することにありその研究には多くの意義(1、意思決定結果の予測への知見、2、意思決定のプロセスの把握、3、意思決定における理論構築への知見)があるとされている。
1、意思決定結果の予測への知見
意思決定過程は経路依存的であり情報処理の過程を把握することで選択結果を予測する事ができるようになるとしている。例えば消費者の行動における意思決定の研究から得られた知見からその過程が多くの場合、経路依存的とされている。
2、意思決定のプロセスの把握
カーネマンとトヴァスキー(Kahneman & Tversky)は意思決定行動におけるプロセスは段階的であるとし対象となる事象の認識、その認識に従って選択肢の評価が行われる段階があるとし評価段階においては決定フレーム(枠組み)の段階があるとした。
3、意思決定における理論構築への知見
カーネマンとトヴァスキー(Kahneman & Tversky)は意思決定において対象となる事象を捉える際の枠組み(フレーム)が決定採択に大きな影響を与えるとしこの枠組みが決定採択に与える効果をフレーミング効果(framing effect)とした。
現在までに得られたフレーミング効果の知見には興味深い多くの例があり広告や販売などのマーケティングにおいても客観的には同じ事実であってもその伝え方の微妙な表現の相違が消費者の行動に多くの影響を与える事がわかっている。
その一例として肉の広告、宣伝の例を挙げると「脂身25%」と消費者に伝えるよりも「赤身75%」ということを伝えた方が購買をより促進する事がわかっている。
両者は同じ事実であるにも関わらず後者のメッセージの方がより消費者に好まれる枠組み(フレーム)を作り上げることがわかっており結果後者のメッセージを受けた消費者が意思決定のプロセスの中で対象をより好ましく捉えるフレーミング効果(framing effect)が存在する事がわかっている。
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