第6章  性格


心理学ではそのひとらしさをとらえるために様々な試みがなされています。そのひとらしさの手掛かりとなるのが「性格」です。「性格」を把握し表す理論手法はいくつかのものがあります。

理論として代表的なものは「類型論」「特性論」があります。手法としては「面接法」「投影法」「質問紙」法があります。

「類型論は」クレッチマーの分類が、有名です。性格のタイプ分けという感じではないでしょうか。

「特製論」はキャッテルの13因子論、アイゼンクの3因子論、などがありますが、現在では5つの因子で性格表す「ビッグファイブ理論」が主流となっています。

類型論とは

人にはある共通の類似点がみられる事が多々あります。あの人とあの人はよく似ているといった例です。クレッチマーは人の性格を「循環気質」「内閉気質」にわけられるとしました。「循環気質」ではまず人には基本的性格がありそのうえに高揚気分、抑うつ気分があるとしその度合いで性格をあらわしました。「内閉気質」では基本的性格のうえに「敏感性」「鈍感性」がありその度合いで性格をあらわしました。

特性論、

ビッグ5理論とは

性格を形成する要因をビッグ5と言われるように5つにわけ、対象とする人がどういった要因を強くもっているかを測定し性格を捉え説明するものです。5つに分けられた要因をそれぞれみると、次のようなものがあります。

1、内向ー外向

2、愛着性ー分離性

3、統制性ー自然性

4、情動性ー非情動性

5、遊戯性ー現実性

1、内向ー外向は言葉の通りいわゆる社交的なイメージの外向であり外界に積極的にはたらきかけるかそうでないかという次元です。例えば色々な人と知り合いになるのが楽しみ、にぎやかさが好き、ひとから注目されるとうれしいかどうかそれがどの程度であるかといったことです。その傾向から内向ー外向の特徴をみようとするものです。

2、愛着性ー分離性は他者との関係においてまわりの人と同調しやすいかそうでなく自主独立であるかという次元です。例えば友好的、気配りをする、他人のことを自分のことの様に思うといった事が愛着性でありまたそうでない部分、それがどの程度であるかをみようとするものです。その経口から愛着性ー分離性の特徴をみようとするものです。

3、統制性ー自然性は意志をもって物事をやりぬこうとするかそうでないかの次元です。(勿論東洋的な思想であるがままの姿勢である自然性も大事です。)例えば几帳面、粘り強さ、思慮深さであり、それがどの程度であるかによって統制性ー自然性の特徴をみようとするものです。

4、情動性ー非情動性は危機にどの程度敏感に反応するかそうでないかの次元です。例えば繊細さ、敏感さでありまたそれによる気分の高揚や低下など気分の循環がどの程度であるかをみて情動性ー非情動性の特徴をみようとするものです。

5、遊戯性ー現実性はイメージや思考、創造性などの豊かさの次元です。例えば感情の豊かさのようなものであり新たな事を楽しむと感じる、空想、感動する程度がどの程度であるかをみて遊戯性ー現実性の特徴をみようとするものです。



また性格を測定するには、面接法、投影法、質問紙法があります。

質問紙法とはあらかじめ、性格に関する質問項目を用意し、その解答をもとに性格を分析する。

面接法とはじかに対面をする。

投影法とは絵などをみてもらってどのように感じるかなど、あいまいな状況における反応をみるものです。

これらはその状況から信頼性、妥当性を考慮した上で使用します。


健全な性格に対する研究もこれまで行われてきましたがその共通点を挙げると以下のようになります。

自分の生活を意識的にコントロールする。

自分を客観的にみることができる。

運命をうけとめることができる。

目標や使命をもっている。

といった高次なものです。







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