同調行動について
人の行動は社会からの影響を受けるとされています。社会において他者からの影響によって個人の思考、行動、心理が形成されまた他者から影響されます。この点は他の動物と異なる特徴の1つであるといえます。人が受ける影響として情報的影響(テレビの宣伝など)と規範的影響(生活上の周辺からの影響)があります。
規範的影響の例をあげると、自分一人ではできないと思っていたことが他者と一緒ならできることがあります。また普段一人では取らないような行動が他者が取ることに影響され同じような行動を取ってしまうこともあります。
このような例を社会的促進と呼びます。他に適応するための社会的同調、同調行動が生まれます。
同調行動に関する研究ではアッシュの例が有名です。一人であれば正しく出せたはずの答えが他者が導き出した答えに左右されそれに沿うするように自分も主観的な答えとは異なった答えを選んでしまう例などがあります。
流行もまた同調行動の1つであり多くの人がそうしていれば少し変だと思えてもそれに抗うことよりも同じ行動を取ることの方がはるかに容易であることから同じ行動をとる傾向にあります。流行は情報的影響によって作為的に作り出されている場合も多いといえます。同じ刺激を社会場面において繰り返し受けていると、親しみが増したりします(例えばテレビCMなど)です。刺激に接する機会が多い程その刺激に対しての選択性が高まることが知られています。
一旦そういった現象(例えば流行)が起きると真の情報より「乗り遅れたくない」という感情の方が強く働きの人取っている行動に対し主観的には少し変だという感情を持ちつつもそれに抗うことなく同じ行動をとる傾向にあります。
日常私たちが主観的に採択していると思っている結論もこういった他者からの影響に左右されている場合が多くあるといえるのではないでしょうか。
先入観や偏見について
社会の中にあって他者を認知する際にどうしても先入観や、偏見が働きます。先入観によって自分に都合の良い情報を採択する傾向が人にはあります。また他者を受け止める際にはどうしてもステレオタイプな受け止め方をしがちです。ステレオタイプとはあまり深く考えずに他者を類形化して捉えてしまうことです。ステレオタイプな評価の仕方には光背効果(ハーロー効果)も働きます。その背景にあるものから?であればこうだろうと捉えることです。
例えば黒人はリズム感が良い、イタリア人は陽気であるといった捉え方です。
人は自分の先入観や元々の意見を支持する情報を選択し支持しない情報は無視する傾向があることがわかっています。
また他者の認知においては先に述べた先入観や偏見の他、社会的要因、他者要因、自己要因、相互作用要因によることがわかっています。