感覚とは
人は外界からの刺激を「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」、「味覚」、「皮膚感覚」を通して得ます。
またそれ以外に「運動感覚」「平衡感覚」「内臓感覚」の3種があります。これら8種の感覚をあわせて「感覚」と呼びます。
外界からの刺激は受容器を通して伝えられます。受容器は外界からの刺激を電気信号に変換し脳に伝えます。刺激が一定量あると「感覚」として感じられます。
刺激はどのようにとらえられるか
刺激が生じるためには最小限の刺激の量である「刺激閾」が存在します。この量を超えた時に初めて刺激として感じられます。あまりにも小さな刺激は「感覚」としてとらえることができません。例えばあまりに小さな音、光などは感じる事ができません。人が認識できる刺激の最少量は「刺激閾」とよばれています。また異なる2つの刺激を判別するためには最小の量が存在しますがこれは「弁別閾」と呼ばれています。例えば一定の刺激にその50%程度の刺激をつけ加えるとその変化をとらえることができますが一定の刺激に1%をほどを加えてもその変化をとらえることができません。この法則をウェバーの法則と呼びます。
また一定の刺激になれることを「順応」とよびます。皮膚感覚においての「順応」は急に冷えたところに入ると寒さを感じるがすこしずつ慣れていきます。また「味覚」においても順応があり辛いものを食べていてもすこしづつ慣れてきます。
「視覚」においては運転をしていて急に暗いトンネルに入った時、まっ暗く感じるが少しづつみえるようになります「暗反応」。その逆もあります「明反応」。
視覚
その進化の過程から霊長類、特に人は視覚から多くの情報を得ます。人は眼をとおして外界をとらえていますが「光」という刺激が角膜、水晶体、硝子体をとおして網膜上に像をむすびます。この過程で水晶体はピントをあわせるレンズの役割と入ってくる光の量を調節しています。そうしてはいってきた刺激は光容受容器(錐体、カン体)をとおして視神経を経由して脳へと伝えられます。脳では視覚中枢が伝えられた信号をとらえます。網膜の中心には錐体が集中している中心窩が存在し解像度の高い鮮明な像がみえその部分から外れると不鮮明になります。特にみたい部分に頭をそむけるのはそのためです。
光には1、色相、2、彩度、3、明るさがあります。1、色相とは赤や緑など波長の違いによってうまれる見える色の違いです。2、彩度は色の純粋度のことであり他の色調の色がまざると低下します。3、明るさは光のエネルギー強度の差によってうまれる光の強さの差異です。
聴覚
音は物理的な性質をもった振動です。
音の高い、低いはヘルツ(Hz)で生じます。1秒間に振動する回数をヘルツとよびます。
音の大きさは振動の強度によって発生しその強度はデシベル(Db)という単位であらわされています。私達は日常20〜80デシベルの音の中で生活しておりそれをこえると例えばヘリコプターの音120デシベルのような大きな音となります。
音がどこからきこえているかは左右耳に届く音の振動が伝わる時間差によってとらえています。
嗅覚
匂いは空気中に存在する匂いの分子が鼻腔に達しその物理的刺激が鼻腔の受容器を通して電気信号に変換され脳に伝えられます。
味覚
味覚は舌に存在する味蕾をとおして、物理的刺激が電気的信号に変換され脳に伝えられます。
味覚には、甘さ、酸っぱさ、塩辛さ、苦さ、そしてうまみがあります。
皮膚感覚
皮膚感覚は全身の感覚点をとおし受容器から神経信号として脳に伝えられます。皮膚感覚の種類には痛覚、温度感覚、触覚、圧覚があります。