分析心理学 Analistic Psychologie
ユング、C.G Jung,Carl Gustav(1875〜1960)によって提唱された スイスで生まれチューリッヒ大学で学んだユングはその後ブロイラー、ジャネのもとで精神医学を学びその後フロイトの基で10年程、ともに研究を行った しかしフロイトが心的エネルギーを性的な物に限局したの事に対しその後袂を分かった またフロイトが神経症を対象としたのに対してユングが対象としたのは現在の統合失調症の患者であった フロイトの無意識は個人的なものでありそれは夢の中などで意識に上がってくるとしたが、ユングは無意識の中に万人に通じる普遍的無意識という共有された無意識が存在すると考えた それが夢の中に出てきてメッセージを与えるとした その過程は元型(アーキタイプ)論と呼ばれた 元型(アーキタイプ)の代表的なものにはペルソナとシャドウ、アニマとアニムス、グレートマザー、自己がある ペルソナとは演劇の中で演じられる仮面を指すまた ユングは個人はペルソナを通して妥協的に社会との接点を得ると考えた 社会に向けるペルソナに重点が置かれると内面の個人の部分が無視されそれが神経症に繋がるとした もちろんペルソナを持つことは社会とのつながりを持つ上で大事なことである ペルソナは個人が洋服を着替えるようにしてかけ替えられ個性の様な物を発現する しかしペルソナがうまく機能しないと社会との接点を持つ上で何らかの障害が生じて不適応状態に陥ると考えた シャドウとは個人が意識的にあるイメージを採択したために表面に現れなかったものであるこのイメージは無意識に抑圧され夢の中に出てくることがある 無意識の中に存在するもう一人の自分の可能性であるとも言える アニマとアニムスとはペルソナが社会と個人を結ぶ上で生物学的性差に元づき文化的性差を反映しているのに対し個人の中にある性差を越えた無意識として男性の無意識の中に女性像が存在し、女性の無意識の中には男性像が存在するとしてそれらを魂(ゼーレ)とした 男性のゼーレはアニマ、女性のゼーレはアニムスである グレートマザーとは無意識の中の母性的本能であるユングは患者に普遍的な母の像を見出したためにそれが夢に上がって来るとして元型の一つにあるとした グレートマザーとは肯定・否定の両面を持つことが知られており母としての優しさはある側面肯定的であるが自己との一体化は子供の自立を妨げるという否定の側面も持つ ユングは「自己とは意識と無意識の両方を含む中心でありかつ円周でもある 自我が意識の中心であるように自己はこの全体性の中心である」としている 自己も普遍的無意識から夢の中に登場するものでその中では非常にシンボリックな形で現れる